今回はレザークラフトの縫い方をご紹介します。
裁縫とは違い、レザークラフトの手縫いは2本の針で交互に縫ってい行くので、最初は少し戸惑うかもしれませんが、ポイントさえわかればキレイな縫い目が誰でもできます!
キレイな縫い目を作るために
革は布とは違い厚く硬いので、縫う前に糸を通す穴を空ける必要があります。
STEP1
きれいな縫い目を作るためには、まっすぐで均等な穴あけが必要です。
ステッチンググルーバーで、穴をあける場所に線を引きます。
この線は穴をまっすぐにあけるための、補助線です。
次に最初の穴あけ位置を決めます。
下の画像のように、1つ目の菱目を革から外して跡をつけます。ここでは穴はあけません。
跡を付けたことにより、最初の穴位置が決まり、すべての穴の距離を均等にすることができます。
この跡を目印に菱目打ちをし、4つの穴をあけます。
次の穴開けは、今あけた4つ穴の最後の穴に菱目の最初の刃を入れあけます。
これは穴をまっすぐにあけるための工夫です。
(下の画像を見ていただくとわかりやすいです)
下の写真のように、7つの穴があきました!
あとこの作業の繰り返しで穴をあけていきます。
針と糸について
革を縫う場合は、2本の針が必要です。
また糸は縫う箇所の4倍の距離が必要です。
針に糸を付ける方法
糸を針につける方法も、裁縫とは違います。
STEP1:糸に蝋を付ける
糸に蝋を付けるのは、縫う時の滑りをよくするためです。
特に麻糸の場合必要です。
ビニモMBTなど、ポリエステル糸の際はお好みになりますが、私は麻紐の際もポリエステル糸も3、4度蝋を引いています。
STEP2:針の穴に糸を通す
STEP3:入れた糸は、針の1.5倍ほどの長さまで出す
STEP4:出した糸の針から出ている部分を糸に刺す
STEP5:刺した先の糸をもう一度針に刺す
STEP6:付け根の糸を引っ張る
STEP7:糸の先端を持ち、刺した部分の糸の付け根におろす
STEP8:完成です!
もう一方の針にも同じ要領で糸を付けてください。
こちらで縫う準備ができました!
レザークラフトの基本の縫い方
まずはレザークラフトでも裁縫と同じように返し縫いを行います。
レザークラフトの返し縫いは、1つ手前の穴から縫い始めます。
表になる面の一番端から1つ手前の穴に針を入れます。
表面から出ている糸と、裏面から出ている糸が均等になるまで引っ張ります。
次に返し縫いを行うために一番端の穴に針を入れます。
この時表面から針を入れてください!
<縫う際のポイント>
針を入れるのは表面からです。
表面や裏面などまちまちから針を入れてしまうと、縫い目もガタガタになってしまいます。
なので、針は表面から入れることを念頭におきながら作業してください!
次は裏面を見てください。
下の写真のように、次に入れる穴の糸を手前に引っ張ります。
引っ張ったことで出来た空きに、もう片方の針を通します。
針を通した後は、糸が緩まないように両側から出ている糸を持ち「キュッ」と引っ張ります。
ここからは、縫う方向に向かって縫い進めます。
2個目の穴に表面から針を入れます。
気を付けることは、縫ってある糸に針を刺さないことです。
糸に針を刺してしますと、縫い目がきれいに見えません。
必ず、空いているスペースに針を入れてください。
次は裏面を見て、今入れた糸を手前の上に引っ張ります。
引っ張ったことで空いたスペースに、裏面の針を入れます。
針を通し終えたら、糸が緩まないように両側から出ている糸を持ち「キュッ」と引っ張ります。
こちらで返し縫いは終わりです。
あとはこの作業の繰り返しになります。
表面から次の穴に針をいれます。
裏面を見て、表から入れた糸を手前上に引っ張り、空いたスペースに針を入れます。
針を通した後は、糸が緩まないように両側から出ている糸を持ち「キュッ」と引っ張ります。
もう1度繰り返してみます。
表から次の穴に針を通します。
裏面を見て、今入れた糸を手前上に引っ張り、空いたスペースに針を入れます。
最後に糸が緩まないように両側から出ている糸を「キュッ」と引っ張ります。
慣れてきましたか?
ここからは最後まで繰り返し作業になります。
縫い終わりの処理
返し縫い
最後まで縫い進めました。
最後も最初と同じように返し縫いを行います。
最後から1つ戻した穴に針を入れます。
<ポイント>
この時も糸に針を刺さないように気をつけてください!
裏面を見て、今入れた糸を下に引っ張ります。
引っ張って空いたスペースに針を入れます。
針を入れたら今まで同様、糸が緩まないように両側から出ている糸を「キュッ」と引っ張ることを忘れず行います。
すると下の画像のように返し縫いができます。
念のためにもう1度繰り返します。
表から次の穴に針を通し、裏を見て糸を下に引っ張ります。
引っ張って空いたスペースに針を入れます。
最後に両側から出ている糸を「キュッ」と引っ張ります。
これで返し縫いは終了です。
糸の処理
最後に糸を止めて終了です。
今回は「ビニモ」というポリエステル100%の糸を使っているので、裏側でとめます。
まず表に出ている針を次の穴に入れます。
下の画像のように、2つの糸が裏面に出ている状態になります。
ここで、0.7mmほどの箇所で糸を切ります。
最後に糸を燃やしてダマを作れば終わりです。
燃やす際には1本ずつ行ってください。
まず右の糸を燃やしました。
黒く焦げているのが、燃やした箇所です。
黒く焦げない方が、見た目はキレイです。
左側はあまり目立たなく燃やすことができました。
この焦げてしまうのは、燃やした時間と、糸の長さに関係してきます。長い時間、長い糸を燃やすと黒く焦げやすいので、何度か練習してみてください!
これで基本の平縫いは完成です!
ここでよく見てみると…
すこーしガタっとしてしまった箇所がありました。。
このガタツキの原因は、穴をあける際に少しずれてしまったからです。。
縫う作業は、もちろん大切ですが、縫う前の穴あけの作業の大切さがわかっていただけたのではないでしょうか。。涙
まとめ
今回はレザークラフトの基本の縫い方として「平縫い」をやってみました。
最初は穴をあけ作業をいかに真っすぐできるかと針を必ず表面(オモテメン)から入れることを意識してやってみてください!
革の厚さによっては、糸を緩ませないようにキュッと引く力も変わってきます。
薄い革(0.6㎜など)で行う場合、糸を引く力が強すぎると、革にシワが入ってしまったり、破れてしまうことがあるので気をつけてくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。