今回はコバ磨きのやり方をご説明します。
コバとは革の断面の部分です。
コバがしっかりと磨いてある作品は、見栄えが良くなり出来栄えが変わります。
ぜひコバがツルツルになるまで磨いてみてください!
今回はこのコバを磨いてみます。
![](https://carorinrin.com/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
コバ磨きに必要な道具
コバ磨きには必要な道具がいくつかあります。
ここであげているものは、ほどんどが必須の道具です。
![コバ磨きに必要な道具](https://carorinrin.com/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
- ヘリ落とし
- トコノール(仕上剤であればトコノールでなくても問題ありません。)
- 紙やすり(300番前後)
- 帆布
- コーンスリッカー
- ドレッサー(あると便利です)
ヘリ落とし
ヘリとはコバの角の部分です。
ヘリがあると手触りが悪く、ヘリが引っかかることでコバも傷みやすいと言われます。
コバ磨きはヘリを取ることから始まります。
名前通りですが、ここで「ヘリ落とし」を使います。
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ヘリ落としの二股になっている部分をヘリにあてて、ゆっくりと進めます。
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ゆっくり、軽い力で行ってください。
ヘリ落としを行うと下の写真のようになります。
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ヘリの部分の銀面(表面)がなくなり、バリが取れた状態です。
裏面もヘリ落としを行います。
今回は革を縫い合わせているのでどちらも銀面(表面)ですが、1枚の革の場合も両面(銀面と床面)のヘリ落としを行います。
これでヘリ落としは終わりです。
コバを揃える
コバ磨きで一番大事な大切な工程です。
重ね合わせた革の断面が揃っていないと、コバ磨きをしてもきれいなコバができないからです。
今回磨く革は、〇で囲んだ部分が少しガタついているので、ここを重点的に揃えていきます。
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ドレッサーで粗削りをする
ここで「ドレッサー」を使い全体を粗削りします。
この時、同じ方向にドレッサーを動かすことを意識してください。
奥に向かって動かすと決めたら、ずっと奥に向かってドレッサーを動かすということです。
![一定の方向に向けてドレッサーを動かす](https://carorinrin.com/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
ある程度のガタツキであれば、ドレッサーで無くすことができます。
しかし、かなりの段差があるようであれば、カッターなどで切って揃えるのも手です。
下の写真のように、ドレッサーでここまで揃えることができました。
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紙やすりで整える
ドレッサーで粗削りした部分を、紙やすりで整えます。
紙やすりは300番前後がおすすめです。今回は360番で行います。
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紙やすりも一定の方向に動かすことを意識して行います。
様々な方向に動かすと、せっかく平らにした面がまた荒れてしまうため一定の方向に動かします。
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紙やすりで、下の写真ほど揃えていきます。
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指で触ってみて、ガタツキが無ければ問題ありません!
ガタツキがある場合は、紙やすりを繰り返してください。
コバを水で濡らす
次にコバを水で濡らします。
水が銀面につくとシミになる場合があるので、慎重に進めます。
下の写真のように、綿棒を使うとコバのみを濡らすことができるのでおすすめです。
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ベタベタに濡らすというよりも、うっすらと湿らす感覚です。
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帆布でこする
濡らした後、帆布でこすっていきます。
強く行う必要はありません。
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シャシャッとこする感覚です。
帆布でこする際は、一定方向など気にしなくて大丈夫です!
何度かこすると下の画像のようにツヤが出てきます。
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写真のようにツヤがでれば、次の工程です。
トコノールで磨く
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トコノールなどの仕上剤を使ってさらにツヤを出していきます。
トコノールも銀面についてしまうとシミになるので、気をつけてください。
慣れるまでは綿棒を使うといいですよ!
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トコノールは付けすぎ注意です。
付けすぎると銀面にはみ出してしまうためです。
少量を塗って足りなかったら付ける、くらいの気持ちで行います。
綿棒でトコノールをつけたら、指で伸ばしていきます。
次に帆布でこすります。
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帆布である程度(10往復ほど)こすったら、次はコーンスリッカーでこすります。
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コーンスリッカーはコバに置いてこするくらいの感覚です。
力を入れすぎると、コバがつぶれたり、コバの色が変色してしまいます。
「力を入れすぎない」ことを意識してください。
コーンスリッカーで何度か往復すると下のように、かなりツヤが出て貼り合わせた革が一体に見えてきます。
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指で触ってみても、かなりツヤツヤです!
好みなので、ここで終わってもいいのですが、今回はさらに美しく仕上げていきます。
もう一度紙やすりをしてヤスリをして
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トコノールを塗って
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コーンスリッカーでこすります。
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すると先ほどより少しだけツルツル度が増した気がします!
ここでコバ磨きは終了です。
まとめ
コバ磨きいかがでしたでしょうか。
コバ磨きに関しては自己満足の世界でもあります。
作風によっても、とってもツヤツヤにしたい方や、少し荒っぽいくらいが好みの方もいます。
何度か試してみて、ご自分の好きなツヤツヤ具合を見つけてみるのもおすすめです!
<おまけ>コバ磨きがうまく出来なかった方へ
ここまで言われた通りにコバ磨きを行ったけど、こんなにツヤツヤにならなかった。。なぜ。。という方へ。
考えられる1番の原因としては、「コバ磨きができない革」を使っていることです。
世の中には、コバ磨きができる革と、できない革があります。
ザックリというと、柔らかい革はコバ磨きをしにくいです。
また革の厚みが薄いものも、コバ磨きが難しいです。
下の写真のように、シボがある革も難しいと思います。(柔らかい革の場合が多いため)
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他の原因として、もう一点。「安い革」を使っていませんか?
これは初心者の方に多いです。
初めてなので、安い革で練習しよう!と思う方が多いためだと思います。
私も初めのころ、同じ経験をしたので気持ちはとってもわかります。。
値段が高い革が絶対にいいということではありませんが、安い革はコバが磨けない革の場合が多いです。
解決策
解決策と言っても、コバ磨きの方法を変えるわけではないですが。。
次回買う革は、「ヌメ革」と書いてある革を選んでみてください。
また2mmほどの厚みがあるとコバ磨きがやりやすいです。
初心者の方におすすめなのは、「アラバスタ」という革です。
扱いやすい革で、今回の記事に出てくる革もこの「アラバスタ」です。
店舗で購入するなら、店員さんに聞いてみるのもおすすめですよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
お役に立てれば嬉しいです。